ひちめも

木のおもちゃ、絵本、時々好きなこと

絵本「でんしゃにのって」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

今日は、2歳の次男が大好きな絵本「でんしゃにのって」をご紹介したいと思います。

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「でんしゃにのって」情報

作・絵:とよたかずひこ

出版社:アリス館

出版年月日:1997年6月

対象年齢:2・3歳~

価格:1,300円(税抜)

あらすじ

うららちゃんんは電車に乗って一人へおばあちゃんのところへでかけます。

ガタゴトー ガタゴトー

電車に揺られていると、車内アナウンスが聞こえます。

「つぎは わにだー わにだー」

すると、電車にぞろぞろと乗り込んできたのはなんと・・・!!!

感想

以前、とよたかずひこさんの「ボートにのって」を紹介したと思うのですが、こちらの絵本「でんしゃにのって」は、うららちゃんののりものえほんシリーズの第1作目となります。

この絵本は、私の長男が2歳の頃に購入し、長男にもよく読みましたが、今は2歳になったばかりの次男が大好きで毎日のように読んでいます。

うららちゃんという女の子が電車に乗って、おばあちゃんのところへいくお話です。電車の絵本ですが、車内での様子がメインなので、電車の外観はほとんど出てこないので、電車が見たいお子様にはちょっと違うかな?と思います。

うららちゃんは、おばあちゃんへのお土産と切符をしっかりもって、電車に乗っています。

ガタゴトーガタゴトー ガタゴトーガタゴトー

電車に揺られていると、車内アナウンスが聞こえます。

「つぎはわにだー わにだー」

駅に着き、ぞろぞろと乗り込んできたのは、なんとワニ!!

「はい、おじゃましますよ」とワニのおばさんはうららちゃんの隣に座ります。

「つぎはくまだー くまだー」

「はい、おじゃましますよ」と乗り込んできたのはそう、くまです。

このように、車内アナウンスのあとに、駅名の動物が乗り込んでくる繰り返しが、ユニークで子どもが夢中になります。

そして、読み手の私もつい駅員さん風に読んじゃうし、「はい、おじゃましますよ」はおばちゃん風に声色を変えて読んでしまうので、それが一層面白いようで、子どもウケばっちりの絵本です。

とよたかずひこさんの絵本の空気感がとても好きで、私が言うのもなんですが今回の「でんしゃにのって」は電車内独特の静かな雰囲気、電車が止まるときの音などがホント見事です!

我が家の兄弟そろって大好きな絵本で、かわいくて面白いのでおすすめです。

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さいごに

絵本「でんしゃにのって」はいかがでしたか?

とよだかずひこさんの人気の「うららちゃんののりものえほん」シリーズの第1作目の絵本です。

2、3歳~からおすすめで、ページをめくるたびにワニやくまな子どもに人気の動物がでてきます。

子ども予想できる繰り返しが面白く楽しい絵本です。ぜひ読んでみてくださいね。

絵本「はくぶつかんのよる」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

 

今日は大人も読みたくなる美しい絵本「はくぶつかんのよる」をご紹介したいと思います。

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絵本「はくぶつかんのよる」情報

文・絵:イザベル・シムレール

訳:石津ちひろ

出版年月日:2017年6月

出版社:岩波書店

価格:1800円(税抜)

対象年齢:5、6歳~

あらすじ

だれもいなくなった夜の博物館.しずまりかえった展示室から,一ぴきのきいろいチョウがにげだします.それを合図に,標本の昆虫や恐竜の化石,はくせいの動物や鳥たちが,いっせいに目をさまして,動きだします! 夜が明けるまで,博物館はおまつりさわぎ.『あおのじかん』の作者がえがく,圧巻のナイトミュージアム.

https://www.iwanami.co.jp/book/b287533.html

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感想

夜の博物館が舞台の絵本で、いろんな雑誌やメディアで取り上げられている美しい絵本です。内容はいわゆるナイトミュージアムのようなお話です。

この絵本で描かれている博物館は、フランスに実在する「コンフリュアンス博物館」がモデルとなっています。近代的で美しい外観が特徴的な博物館です。

誰もいなくなった夜の博物館。静まり返った展示室から1匹の黄色いチョウが、まるで魔法にでもかかったように動き出します。ひらひらと舞いながら、チョウは化石や剥製たちに「さぁはやくおきて」と呼びかけます。呼びかけに答えるように次々と動物や化石、昆虫や鳥たちが目を覚まします。いろんな時代や地域のいきものや化石、道具たちが集まり、一晩中自由にすごす様子は、とても美しく夢のように美しいです。朝日が昇り始めると、みんなそれぞれの場所に戻っていき、またいつもの日常が始まります。

博物館ってなんだか不思議な空間ですよね。本当にこんな風に魔法がかかったかのように動き出すんじゃないかと思ってしまいます。繊細で幻想的なイラストが本当に綺麗で、ずっと眺めたくなります。図鑑のように詳しい解説が載っているわけではありませんが、各動物や化石、鉱物、道具にも名前が書かれているので、子どもと読みながら知識も増えていくと思います。

恐竜の化石や絶滅してしまった動物、現在も存在する生き物たちが共に過ごしている様子はとてもロマンがあって素敵だと思いました。

さいごに

絵本「はくぶつかんのよる」はいかがでしたか?

夜の博物館を舞台に、化石やいきものたちが動き出す絵本です。イラストがとても美しく、アートのような絵本なので、子どもだけでなく大人の方にもぜひ読んでいただきたい絵本です。

絵本「きいろいのはちょうちょ」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

今日は五味太郎さんのしかけ絵本「きいろいのはちょうちょ」をご紹介したいと思います。

2歳の次男が大好きなかわいい絵本です。

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「きいろいのはちょうちょ」情報

作:五味太郎

出版年月日:1983年2月

価格:1000円(税抜)

出版社:偕成社

対象年齢:3歳から

あらすじ

男の子が虫取り網を持って蝶々を探しています。

「きいろいのはちょうちょ」と思って網をかぶせると、ちょうょではなく黄色いお花でした。その後もちょうちょと思ったら意外なものばかり!

ちょうちょの穴あき仕掛けが楽しい絵本です。

感想

2歳の次男が大好きな絵本です!

初めて読んだのは1歳10ヵ月ごろだったと思います。

 

黄色いものはちょうちょと思っている男の子。

黄色い蝶々を見つけたと思い、虫取り網を振り下ろしますが、黄色いけれど蝶々ではないものばかり!

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ちょうちょの形にくり抜かれたしかけ絵本で、ページをめくると、「あれれ!?蝶々じゃない!!」という繰り返しが面白いです。

次男もページをめくるたびに、「ちょうちょじゃない!」と一緒に言いながら笑って読んでいます。

対象年齢は3歳からとなっていますが、2歳前後のお子様でも充分楽しめると思います☆

次男はこの絵本がきっかけで蝶々にも興味が出てきたらしく、公園で蝶々を見かけると「ちょうちょ!」と追いかけて遊んでいます(^^)

さいごに

「きいろいのはちょうちょ」はいかがでしたか?

「きんぎょがにげた」や「たべたのだあれ」が有名な五味太郎さんの絵本で、五味さんならではのユーモアがあるかわいいしかけ絵本です。

2歳前後の子どもでも十分楽しめるので、小さなお子さまにもおすすめです(^^)

 

我が家の次男も1日に何回もリクエストしてくる絵本なので、ぜひ読んでみてください♪

絵本「おつきさまこんばんは」内容(あらすじ)や感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

 

9月に入り、朝晩涼しくなってきてすっかり秋めいてきましたね

今日は1歳の息子が大好きなお月様が出てくる絵本「おつきさまこんばんは」を紹介したいと思います。

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「おつきさまこんばんは」情報

「おつきさまこんばんは」

作:林明子

出版年月日:1986年6月

価格:800円(税抜)

出版社:福音館書店

対象年齢:0歳から

内容(あらすじ)

今夜もお月さまは夜空で照らします

静かな夜の空。ネコが寝そべる屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝くまん丸いお月さまがでてきました。「お月さまこんばんは」。ところが、そこに黒い雲やってきて、お月さまを隠してしまいます。でも、だいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして、また去って行きました。ふたたびあらわれたお月さま、にっこり笑顔で「こんばんは」。まるで話かけてくるようなお月さまのやさしい表情に子どもたちも思わずにっこり。

おつきさまこんばんは|福音館書店

感想

「こんとあき」や「はじめてのおつかい」で有名な林明子さんの赤ちゃん絵本です。

この「おつきさまこんばんは」は、我が家の次男(1歳)が、とても大好きな絵本なんです。

 

空が暗くなり、家の窓に灯りが灯ります。屋根の上に寝ていた猫たちは起きだします。

 

屋根の上が黄金色に輝きだしました。まん丸いお月様が顔を出します。

「おつきさま こんばんは」

 

途中、雲さんがお月様を隠そうとします。

お月様もとても困ったお顔。

猫たちもお月様のお顔が見えないと怒っています。

雲さんは「ごめんごめん。お月様とおはなししてたんだ」と言い、去っていきます。

 

「あーよかった」

まんまるお月様が、とても良い表情でにっこり笑っています。

 

 

なんといってもこの絵本の魅力は、素敵なお月様のお顔。

初めの無表情から、雲が来て困ったようなお顔、雲が去っていくときのお顔、そして最後のにっこり笑顔。

表情豊かなお月様に、次男は夢中になって見ています。

また、周りの家や猫のシルエットも、状況に合わせた動きがあってよく見ていると面白いです。

個人的には裏表紙のベーと舌を出したお月様が好きです♪

次男はこの絵本を読むと、舌を出して裏表紙のお顔の真似をします(^^)

 

文章の語呂も良く、読んでいる方も楽しくなる絵本です♪

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さいごに

絵本「おつきさまこんばんは」はいかがでしたか?

0歳の赤ちゃんも大好きな絵本なので、ファーストブックにもぴったりですし、出産祝いとしても喜ばれると思います。

ちなみに5歳の長男も好きなので、大きくなっても楽しめる絵本だと思います。

ぜひ読んでみて下さい。

絵本「なつのいちにち」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

 

今日は、子供の頃の懐かしい夏を感じることのできる絵本「なつのいちにち」を紹介したいと思います。

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「なつのいちにち」情報

作:はたこうしろう

出版社:偕成社

出版年月日:2004年7月

価格:1,000円+税

対象年齢:3歳~

受賞歴:

日本図書館協会選定図書(2004)
児童福祉文化賞推薦作品(2005)
社会保障審議会推薦文化財(2004)
全国学校図書館協議会・選定図書(2004)

内容(あらすじ)

暑い暑い夏の日。

少年は、虫取り網を手にして走ります。

「今日は絶対捕まえる」

思いを胸にクワガタのいる山へ向かいます。

 

すべてのページから、溢れ出す夏を感じる絵本です。

感想

暑い夏のある日、少年が山でクワガタを捕まえる物語です。

文章も少なく、あっという間に読み終えてしまいますが、全ページから躍動感たっぷりに夏が溢れ出ています。

子供の頃に感じた、蝉の声、土や草の青臭い匂い、あの夏の日の空気を絵本から感じることができます。

 

裏表紙からも夏!を感じます。

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私は、この絵本を読むと夏休みに両親の実家の田舎に行った記憶が蘇ってきます。

 

この絵本の少年と同じ場所に住んでるわけではないんですが、ページのどこかに誰もが子供の頃の夏を思い出し、懐かしさを感じることができと思います。

 

個人的には一番最初の薄暗い玄関(眩しい外)と、山の神社のイラストに懐かしさを感じます。

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子供の頃の夏の記憶を感じたくて、時々読みたくなる絵本です。

さいごに

絵本「なつのいちにち」はいかがでしたか?

全てのページから懐かしい夏を感じることができる絵本です!

子どもはクワガタを捕まえるワクワク感を感じることができますし、大人は子ども時代に五感全てで感じていた夏を思い出すと思います。

 

ぜひ読んでみてください(^^)

東日本大震災をきっかけに描かれた絵本「あさになったのでまどをあけますよ」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

3月に入り、暖かい日も多くなり、いよいよ春到来ですね。

この時期になると、やはり3月になると東日本大震災を思い起こします。今年は、あれから11年。

今日は、震災をきっかけに描かれた絵本「あさになったのでまどをあけますよ」を紹介したいと思います。

とても美しく、日常の幸せを感じることができる絵本です。

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「あさになったのでまどをあけますよ」情報

作・絵:荒井良二

出版社:偕成社

出版年月日:2011年12月

対象年齢:3歳から

価格:1300円+税

受賞歴:厚労省社会保障審議会推薦児童福祉文化財(2012)
日本子どもの本研究会選定図書(2012)
全国学校図書館協議会・選定図書(2012)
日本図書館協会選定図書(2012)
産経児童出版文化賞・大賞(2012)
MOE絵本屋さん大賞1位(2012)

あらすじ(内容)

1日の始まりの朝。

“あさになったので まどを あけますよ”

子どもが窓をあけると、朝焼けの美しい景色が広がっています。

”やまは やっぱり そこにいて

 きは やっぱり ここにいる

 だから ぼくは ここがすき“

いろいろな場所に住む子どもたちが、朝になると窓をあけ、新しい1日を迎えます。都会や田舎、川や海、住んでいる場所によって見える景色は違いますが、子ども達にとってはいつもと変わらない景色が広がります。

だからここが好き。

なにげない日々の繰り返しの中にある、生きることの喜びを描いた絵本です。

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感想

美しく、何気ない日常に幸せを感じることのできる絵本です。

この絵本は、作者の荒井良二さんが、東日本大震災をきっかけに被災地へ何度も訪れ、つくられた作品だそうです。

さまざまな場所で生活する子どもたちが、朝に窓を開け新しい1日を迎えます。山や街、海や川、見える景色は違いますが、そこには朝焼けが美しい景色が広がっています。

何も変わらない景色だけど、だからここが好き。

慌しい毎日を送っていると、この何気ない日々が、とても幸せでかけがえのないものであるということを、つい忘れてしまいそうになりますよね。

この絵本を読むと、1日1日を大切に過ごさないといけないなと改めて感じました。

文章は短いものの、美しい絵とあいまって、心に刺さるものがあると思います。

ところで、作者の荒井良二さんの描く景色って、知らない場所のはずなのに、なんだか見たことがあるように感じませんか?

私は絵本の景色を眺めながら、なんだか夢で見たことあるような不思議な感覚に陥りました。インタビュー記事で読んだのですが、荒井良二さんは景色を描くときに、実際の街を描くのではなく、ここでもありそうな、あそこでもあるようなイメージで描かれてるそうです。だから、デジャブのような不思議な感覚を感じる絵だったんだなーと納得しました!

この絵本は、日常の大切さを気づかせてもらえ、どんな辛いことや不安なことがあっても、明るい朝がくるというポジティブな力も感じることができる絵本だと思います。

私も、朝窓をあけて、ゆっくり深呼吸をして、1日を大切に過ごしたいと思える1冊でした。

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さいごに

絵本「あさになったのでまどをあけますよ」はいかがでしたか?

作者の荒井良二さんが、東日本大震災をきっかけに描いた絵本で、何気ない日常の中に生きる喜びを感じることのできる美しい絵本です。

コロナ渦の今、終わりの見えない不安な日々を送っている方も多いかと思いますが、ぜひ、この絵本を読んでみて欲しいなと思います。

絵本「くるみ割り人形」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

今日は、クリスマスにぴったりの絵本「くるみ割り人形」を紹介したいと思います。

有名な古典作品である「くるみ割り人形」を、マリメッコのデザイナーとして活躍するサンナ・アンヌッカが挿画を手がけ、小宮由さんの新訳と美しい装幀が魅力的な絵本です。

みなさん「くるみ割り人形」の物語はご存知ですか?

バレエやチャイコフスキーの音楽は聴いたことがあるけど、よく知らないという方が多いのではないでしょうか?

2018年にはディズニーで映画化もされている有名な物語ですよ(^^)

では、紹介していきたいと思います!

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「くるみ割り人形」情報

作:E.T.A.ホフマン
絵:サンナ・アンヌッカ
訳:小宮由

定価:2600円(税別)

出版社:アノニマ・スタジオ

出版年月日:2018年11月

対象年齢:5、6、7歳以上

 

こだわりの装幀が人気の絵本シリーズ第3弾の絵本。

アンデルセンの『モミの木』、『雪の女王』に続く3作目が、クリスマスが舞台の『くるみ割り人形』です。

あらすじ

医者のシュタールバウム家には、フリッツとマリーという兄妹がいました。クリスマスイブの日、名付け親であるドロッセルマイアーおじさんからもらった「くるみ割り人形」を、マリーは大変気に入りました。ところが、フリッツが大きな胡桃を無理に割ろうとして、くるみ割り人形を壊してしまいます。マリーはくるみ割り人形を手当てし、ガラス戸棚に寝かせてあげます。マリーが寝室へ行こうとすると、あたりの様子が変わり、7つの頭に7つの金の冠をかぶったねずみの王様が、ねずみの大群を率いて現れました。すると、くるみ割り人形も動き出し、おもちゃの兵隊たちを率いて、ねずみ達との戦いが始まりました。くるみ割り人形が負けそうになった時、マリーは夢中で靴をねずみの王様に投げつけました。その途端ねずみ達はパッと消えていなくなりました。

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マリーはこの夜起こったことを、ドロッセルマイアーおじさんに話すと、おじさんは「ピルリパート姫」にまつわるお話を聞かせてくれます。

「ピルリパート姫は大変美しい姫だったが、ネズミの呪いで醜い姿に変えられてしました。姫の美しさを取り戻した者には褒美として姫の婿とし、次の王様にするときうおふれが出されました。時計職人であるドロッセルマイアーとその甥は、見事に呪いを解き、姫は美しさを取り戻します。ところが、甥である若いドロッセルマイアーがネズミの呪いにかかり醜いくるみ割り人形の姿に変えられてしまいました。呪いをかけたネズミは、7つの頭を持つネズミがくるみ割り人形を殺しにくるだろうと言い、死んでいきます。ピルリパート姫は、醜いくるみ割り人形の姿を見ると、城から追い出してしまいました。くるみ割り人形の呪いを解くには、くるみ割り人形が自ら7つ頭のねずみの王様を退治し、醜い姿のままでも愛されることだったのです」

マリーはおじさんの話を聞き、自分のくるみ割り人形こそが、呪いをかけられた若いドロッセルマイアーに違いないと思います。

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ある晩、ねずみの王様がマリーの元へ現れ、「お菓子をよこさないと、くるみ割り人形を噛み砕くぞ」と言います。マリーはくるみ割り人形のために、要求に答えます。ねずみの王様は毎晩のようにマリーの前に現れ、要求は次第にエスカレートしていきます。困ったマリーはくるみ割り人形にそのことを話すと、くるみ割り人形は剣を与えてほしいとマリーに頼みます。

剣を与えてもらったくるみ割り人形は、ついに7つ頭のねずみの王様を倒しました。

くるみ割り人形はマリーをお菓子の国へ招待します。くるみ割り人形はお菓子の国の王子だったのです。お菓子の国で楽しく過ごしていると、マリーはだんだんと意識が遠のき、目を開けると自分のベッドの中にいました。

マリーは、昨夜の出来事を家族やドロッセルマイアーに話しますが、みんな夢の話だと思い誰も信じてくれませんでした。それから、マリーは冒険の話を誰にも話すことはなくなりました。ある日、ふとくるみ割り人形を眺めながら、「もし、あなたが私のために醜い姿になったとしても、私はけっして、ピルリパート姫みたいに、あなたを追いやったりしませんからね」と言います。時計修理に来ていたドロッセリマイアーはそれを聞き「なにをばかげたことを」とつぶやきます。そのとき、ドアをノックする音がしました。ドロッセルマイアーの甥が、訪ねてきました。若いドロッセルマイアーは、マリーと二人になると「あなたに命を救っていただいたドロッセルマイアーです。あなたが、ピルリパート姫のように私を追いやったりしないとおっしゃった瞬間、私は元の姿に戻れたのです。私と結婚してくれませんか」と言いました。マリーは申し出を受け入れ、お菓子の国を治める女王となりました。

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感想

今回紹介した「くるみ割り人形」は原作の訳本で、実は私、原作の「くるみ割り人形」は、この本で初めて読みました。我が家には、もう一冊くるみ割り人形の絵本があるのですが、そちらバレエ版のようで、ストーリーに違いがありました。

少し調べてみると、「くるみ割り人形」は、1816年にE.T.A.ホフマンが執筆した小説で、その後これを原作にチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」が作られました。バレエ版のくるみ割り人形は、演目をする上で原作よりもストーリーが短くなっています。ピルリパート姫以降のお話はカットされており、最初のくるみ割り人形とねずみの戦いで、マリーが靴を投げることでくるみ割り人形が勝利し、お菓子の国へ連れて行ってくれる話となっています。また、マリーの名前はクララとなっています。(今回紹介したあらすじでは省略しましたが、原作では、クララとはマリーの持っている人形の名前です。)

チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」はとても有名な作品ですし、短い絵本などでは、バレエ版の「くるみ割り人形」のお話が描かれていることが多いと感じます(^^)

一度、「原作を読んでみたい」「くるみ割り人形のお話を知りたい」という方は、今回紹介した「くるみ割り人形」を読んでみることをおすすめします。

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この「くるみ割り人形」の魅力は、なんといってもマリメッコデザイナーであるサンナ・アンヌッカの美しいイラストだと思います。装幀がとても素敵で、赤の布張りに金の箔押し、そこにアンヌッカの描くくるみ割り人形!お部屋に飾っておきたくなるくらい美しくオシャレです。

中のイラストもどれも素敵で、古典作品である「くるみ割り人形」が、ペラペラとめくるだけでも楽しめる本となっています。

私は、古典作品というとなんだか小難しくて、読みにくいイメージがして、少し敬遠しがちでした。でも、今回の「くるみ割り人形」の小宮由さんの訳は、とても読みやすかったです。内容がスッと入ってくるため、不思議なクリスマスの物語の世界に一気に惹き込まれました。

私はこの"読みやすい"というのは、本を読む上でとても大切な気がします。内容が理解しづらいとストーリーの中に気持ちが入りにくいからです。

長いお話が苦手な方も是非読んでもらいたいです。

物語の中で、マリーに起こった不思議な出来事は、夢だったのか現実だったのか・・・どっちなんだろう?

どっちにでも解釈できるような曖昧な表現が、クリスマスにだけ起こる不思議な世界観を感じることができて、私は好きでした(^^)

さいごに

いかがでしたか?

今回紹介した「くるみ割り人形」は、1816年にE.T.A.ホフマンが書いた原作の訳本です。小宮由さんの新訳がとても読みやすい本です。また、マリメッコのデザイナーであるサンナ・アンヌッカがイラストを手がけており、とてもオシャレな本となっています。飾っても素敵なので、本棚やインテリアとしても華を添えてくれると思います。

布張り・金箔押しで高級感のある装幀となっており、プレゼントにもぴったりだと思います。

クリスマスに起こった少し不思議な物語「くるみ割り人形」、ぜひ読んでみてくださいね(^^)

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