ひちめも

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絵本「くるみ割り人形」あらすじや感想

こんにちわ!ひちです(^^♪

今日は、クリスマスにぴったりの絵本「くるみ割り人形」を紹介したいと思います。

有名な古典作品である「くるみ割り人形」を、マリメッコのデザイナーとして活躍するサンナ・アンヌッカが挿画を手がけ、小宮由さんの新訳と美しい装幀が魅力的な絵本です。

みなさん「くるみ割り人形」の物語はご存知ですか?

バレエやチャイコフスキーの音楽は聴いたことがあるけど、よく知らないという方が多いのではないでしょうか?

2018年にはディズニーで映画化もされている有名な物語ですよ(^^)

では、紹介していきたいと思います!

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「くるみ割り人形」情報

作:E.T.A.ホフマン
絵:サンナ・アンヌッカ
訳:小宮由

定価:2600円(税別)

出版社:アノニマ・スタジオ

出版年月日:2018年11月

対象年齢:5、6、7歳以上

 

こだわりの装幀が人気の絵本シリーズ第3弾の絵本。

アンデルセンの『モミの木』、『雪の女王』に続く3作目が、クリスマスが舞台の『くるみ割り人形』です。

あらすじ

医者のシュタールバウム家には、フリッツとマリーという兄妹がいました。クリスマスイブの日、名付け親であるドロッセルマイアーおじさんからもらった「くるみ割り人形」を、マリーは大変気に入りました。ところが、フリッツが大きな胡桃を無理に割ろうとして、くるみ割り人形を壊してしまいます。マリーはくるみ割り人形を手当てし、ガラス戸棚に寝かせてあげます。マリーが寝室へ行こうとすると、あたりの様子が変わり、7つの頭に7つの金の冠をかぶったねずみの王様が、ねずみの大群を率いて現れました。すると、くるみ割り人形も動き出し、おもちゃの兵隊たちを率いて、ねずみ達との戦いが始まりました。くるみ割り人形が負けそうになった時、マリーは夢中で靴をねずみの王様に投げつけました。その途端ねずみ達はパッと消えていなくなりました。

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マリーはこの夜起こったことを、ドロッセルマイアーおじさんに話すと、おじさんは「ピルリパート姫」にまつわるお話を聞かせてくれます。

「ピルリパート姫は大変美しい姫だったが、ネズミの呪いで醜い姿に変えられてしました。姫の美しさを取り戻した者には褒美として姫の婿とし、次の王様にするときうおふれが出されました。時計職人であるドロッセルマイアーとその甥は、見事に呪いを解き、姫は美しさを取り戻します。ところが、甥である若いドロッセルマイアーがネズミの呪いにかかり醜いくるみ割り人形の姿に変えられてしまいました。呪いをかけたネズミは、7つの頭を持つネズミがくるみ割り人形を殺しにくるだろうと言い、死んでいきます。ピルリパート姫は、醜いくるみ割り人形の姿を見ると、城から追い出してしまいました。くるみ割り人形の呪いを解くには、くるみ割り人形が自ら7つ頭のねずみの王様を退治し、醜い姿のままでも愛されることだったのです」

マリーはおじさんの話を聞き、自分のくるみ割り人形こそが、呪いをかけられた若いドロッセルマイアーに違いないと思います。

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ある晩、ねずみの王様がマリーの元へ現れ、「お菓子をよこさないと、くるみ割り人形を噛み砕くぞ」と言います。マリーはくるみ割り人形のために、要求に答えます。ねずみの王様は毎晩のようにマリーの前に現れ、要求は次第にエスカレートしていきます。困ったマリーはくるみ割り人形にそのことを話すと、くるみ割り人形は剣を与えてほしいとマリーに頼みます。

剣を与えてもらったくるみ割り人形は、ついに7つ頭のねずみの王様を倒しました。

くるみ割り人形はマリーをお菓子の国へ招待します。くるみ割り人形はお菓子の国の王子だったのです。お菓子の国で楽しく過ごしていると、マリーはだんだんと意識が遠のき、目を開けると自分のベッドの中にいました。

マリーは、昨夜の出来事を家族やドロッセルマイアーに話しますが、みんな夢の話だと思い誰も信じてくれませんでした。それから、マリーは冒険の話を誰にも話すことはなくなりました。ある日、ふとくるみ割り人形を眺めながら、「もし、あなたが私のために醜い姿になったとしても、私はけっして、ピルリパート姫みたいに、あなたを追いやったりしませんからね」と言います。時計修理に来ていたドロッセリマイアーはそれを聞き「なにをばかげたことを」とつぶやきます。そのとき、ドアをノックする音がしました。ドロッセルマイアーの甥が、訪ねてきました。若いドロッセルマイアーは、マリーと二人になると「あなたに命を救っていただいたドロッセルマイアーです。あなたが、ピルリパート姫のように私を追いやったりしないとおっしゃった瞬間、私は元の姿に戻れたのです。私と結婚してくれませんか」と言いました。マリーは申し出を受け入れ、お菓子の国を治める女王となりました。

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感想

今回紹介した「くるみ割り人形」は原作の訳本で、実は私、原作の「くるみ割り人形」は、この本で初めて読みました。我が家には、もう一冊くるみ割り人形の絵本があるのですが、そちらバレエ版のようで、ストーリーに違いがありました。

少し調べてみると、「くるみ割り人形」は、1816年にE.T.A.ホフマンが執筆した小説で、その後これを原作にチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」が作られました。バレエ版のくるみ割り人形は、演目をする上で原作よりもストーリーが短くなっています。ピルリパート姫以降のお話はカットされており、最初のくるみ割り人形とねずみの戦いで、マリーが靴を投げることでくるみ割り人形が勝利し、お菓子の国へ連れて行ってくれる話となっています。また、マリーの名前はクララとなっています。(今回紹介したあらすじでは省略しましたが、原作では、クララとはマリーの持っている人形の名前です。)

チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」はとても有名な作品ですし、短い絵本などでは、バレエ版の「くるみ割り人形」のお話が描かれていることが多いと感じます(^^)

一度、「原作を読んでみたい」「くるみ割り人形のお話を知りたい」という方は、今回紹介した「くるみ割り人形」を読んでみることをおすすめします。

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この「くるみ割り人形」の魅力は、なんといってもマリメッコデザイナーであるサンナ・アンヌッカの美しいイラストだと思います。装幀がとても素敵で、赤の布張りに金の箔押し、そこにアンヌッカの描くくるみ割り人形!お部屋に飾っておきたくなるくらい美しくオシャレです。

中のイラストもどれも素敵で、古典作品である「くるみ割り人形」が、ペラペラとめくるだけでも楽しめる本となっています。

私は、古典作品というとなんだか小難しくて、読みにくいイメージがして、少し敬遠しがちでした。でも、今回の「くるみ割り人形」の小宮由さんの訳は、とても読みやすかったです。内容がスッと入ってくるため、不思議なクリスマスの物語の世界に一気に惹き込まれました。

私はこの"読みやすい"というのは、本を読む上でとても大切な気がします。内容が理解しづらいとストーリーの中に気持ちが入りにくいからです。

長いお話が苦手な方も是非読んでもらいたいです。

物語の中で、マリーに起こった不思議な出来事は、夢だったのか現実だったのか・・・どっちなんだろう?

どっちにでも解釈できるような曖昧な表現が、クリスマスにだけ起こる不思議な世界観を感じることができて、私は好きでした(^^)

さいごに

いかがでしたか?

今回紹介した「くるみ割り人形」は、1816年にE.T.A.ホフマンが書いた原作の訳本です。小宮由さんの新訳がとても読みやすい本です。また、マリメッコのデザイナーであるサンナ・アンヌッカがイラストを手がけており、とてもオシャレな本となっています。飾っても素敵なので、本棚やインテリアとしても華を添えてくれると思います。

布張り・金箔押しで高級感のある装幀となっており、プレゼントにもぴったりだと思います。

クリスマスに起こった少し不思議な物語「くるみ割り人形」、ぜひ読んでみてくださいね(^^)

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